8マン〔完全版〕【1】
平井和正,
桑田次郎
マンガショップ
B6 ソフトカバー 384 pages, released in Oct. 2011
1,980 yen (including tax 180 yen)
, Free shipping fee to Japan.
Not available
(PDF 約1MB)
これまで封印されてきた幻の最終回
を収録する真の完全版!
第1巻 目次と初出
P.5……怪人ゲーレン
「週刊少年マガジン」講談社
1963年(昭和38年)20号〜24号
P.85……サタンの兄弟
「週刊少年マガジン」講談社
1963年(昭和38年)25号〜31号
P.197……怪力ロボット〇〇七
「週刊少年マガジン」講談社
1963年(昭和38年)32号〜39号
P.325……決闘 (読切)
「別冊少年マガジン」講談社
1964年(昭和39年)秋号
P.351……死刑囚タランチュラ (読切)
「別冊少年マガジン」講談社
1965年(昭和40年)新年号
登場人物
・8マン & 東八郎
・田中課長
・さち子
・一郎
・谷博士
作品解説
昭和38年はテレビアニメ元年ともロボットアニメ元年とも呼ばれている。1月に日本初の連続アニメ『鉄腕アトム』がスタートし、10月は同じく『鉄人28号』、11月に『エイトマン』というタイプの異なる3作品の放映が始まったからである。先行する『鉄腕アトム』は光文社の月刊「少年」で10年以上連載が続く大ヒット漫画。二番手の『鉄人28号』も同誌に7年に渡って連載中の人気作品だった。どちらもアニメに先駆けてテレビの実写版が制作されている。一方、最後発の『エイトマン』は講談社の週刊少年マガジンで、わずか半年前に連載が始まった『8マン』が原作である。
ロボット探偵まんが(当時の表記)『8マン』の誕生には月刊漫画誌全盛の時代にあって、いち早く週刊化に踏み切った少年マガジンの事情が関係している。少年マガジンは苦戦する部数を伸ばすため、ライバル「少年」の二枚看板である『鉄腕アトム』『鉄人28号』をターゲットに、新たなロボット漫画の連載を模索していた。少年マガジンは昭和34年の創刊時も巨大ロボットが活躍する『13号発進せよ』で勝負に出たが、『鉄人28号』を意識しすぎたネーミングや設定が仇になって失敗した。『8マン』の連載はそのリベンジだった。
少年マガジンが目指したのはヒューマニズム溢れる『鉄腕アトム』でも、ひたすら暴れまくるバトルマシンの『鉄人28号』でもなく、今までに誰も見たことのないオリジナルのロボット漫画である。そのためには新たな才能の発掘が必要と感じた編集部は、ストーリーの作り手と漫画の描き手をそれぞれオーディションで決めることにした。後に伝説の編集長と呼ばれる内田勝氏などスタッフが選んだのは、原作者に新進のSF作家で24歳の平井和正、漫画家は『月光仮面』『まぼろし探偵』のヒットで知られる桑田次郎という二人の異才だった。東京警視庁捜査一課の刑事は全部で49人。7人ずつ7つの班を作っている。8マンはそのどこにも入らない8番目の刑事――。昭和38年の少年マガジン20号で連載の始まった『8マン』は、読者は最初こそ主人公がスーツを着こなす大人であることに驚いたが、超高速で疾走する鋼鉄のスーパーロボットの活躍に魅了されるまで時間は掛からなかった。
本格派のSFファンが読んでも十分に満足できる平井和正の濃密なストーリーに、アメコミ風のシャープなタッチに進化した桑田次郎のペンが生命を吹き込んでいく。『8マン』はそれまでの単純なロボット漫画と異なり、難事件の解決や活劇の面白さに加え、主人公の抱える悲しみがドラマとしての深みを与えていた。私立探偵の東八郎=8マンの正体は、殉職した刑事の記憶を電子頭脳に移した一種のサイボーグ。そのため食事を楽しむことも恋をすることも許されず、二度と生身の人間に戻れないという悲哀を抱えて生きなければならない。8マンが苦悩するヒーローと呼ばれるゆえんである。
順調に読者を増やし評価を高めつつあった『8マン』に、在京キー局のTBSからアニメ化の話が持ち込まれたのは連載開始2カ月後のことだった。あまりに早すぎる申し込みに少年マガジンが戸惑いを隠せなかったのは当然である。フジテレビ系で放映中の『鉄腕アトム』が高視聴率をキープしていたため、TBSとしては指をくわえて見ているわけにもいかず、同じようなロボットアニメを確保する必要性に迫られていたのである。その原作漫画に白刃の矢が立ったのが『8マン』だった。
TBSの意向でタイトルを『エイトマン』に変更したアニメは、原作者の平井和正が作家仲間を招集して脚本を担当することになった。豊田有恒、半村良、加納一朗、桂真佐喜(辻真先)……。後にSF作家や脚本家として活躍する面々が顔を揃えている。実際のアニメ制作は桑田次郎の監修のもと、テレビCMを得意とするTCJ(後のエイケン)に決まった。第1回放映の11月7日まで綱渡りのスケジュールが続いたが、一旦幕を開けると超高速のエイトマンそのままに視聴率はハイスピードで駆け上がり、『鉄腕アトム』を超えることも珍しくかった。マエタケこと前田武彦作詞のテーマソングとともに、翌年開通予定の新幹線を追い越していくオープニングは未だに人々の記憶に刻み込まれている。
今回の『8マン』全5巻は真の完全復刊を目指し、週刊少年マガジン連載の本編と、兄弟誌の別冊少年マガジンに掲載した読み切りなどを網羅した文字通りの決定盤である。さらに最終回は初めて2つのバージョンを併録した。実は『8マン』には2つの最終回が存在する。ひとつは昭和40年2月に桑田次郎が拳銃不法所持事件で逮捕されたため、当時のアシスタントが代筆した少年マガジン版である。もうひとつは後に桑田次郎本人が描き直したリライト版。2つを見比べてみるのも一興だ。
同時に平井和正の小説ファンで『8マン』を知らない世代にもお奨めしたい。なぜなら『8マン』は平井和正にとって作家としての出発点であり、後の大ヒットシリーズ『ウルフガイ』や『幻魔大戦』につながるルーツ的作品だからだ。鋼鉄の身体を手に入れながらも人間だった頃の感情が捨てられない8マンの悲哀を巧みに描くところなど、稀代のストーリーテラーとしてSF文学の頂点に立った才能の片鱗が見え隠れしている。
著者紹介
平井和正(ひらい かずまさ)
1938年5月13日、神奈川県横須賀市生まれ。中央大学法学部在学中の1961
年に書いた「殺人地帯」が、「SFマガジン」の第一回コンテスト奨励賞
を受賞して作家デビュー。1963年から漫画原作を担当した「8マン」が、
同年、TBSにおいてアニメ化された際は、自らシナリオライターのチーフ
を務めた。この「エイトマン」は「鉄腕アトム」の視聴率を抜く大ヒット
を記録する。 1971年、「狼の紋章」が爆発的にヒット。
「ウルフガイ」シリーズは若い世代の心を捕らえ、今も永遠のバイブルと
してリメイクを繰り返している。 1971年に刊行開始した「幻魔大戦」シ
リーズはハルマゲドン旋風を巻き起こし、統計2千万部を超える大ベスト
セラーになっている。 1992年には「ラストハルマゲドン・ストーリー」
と名付けた問題作「地球樹の女神」を完結。1994年、日本で本格的オンラ
イン小説「ボヘミアンガラス・ストリート」をパソコン通信10ネットで連
載した。1997年からは、最新作の新たなウルフガイシリーズ「月光魔術團」
などをインターネット上で販売開始。現在も精力的な執筆活動を続ける。
桑田次郎(くわた じろう)
1935年、大阪府吹田市生まれ。13歳のときに青雅社から描き下ろしの単行本『奇怪星 團』を出版して漫画家デビュー。1957年、少年画報連載の『まぼろし探偵』(当初 のタイトルは少年探偵王)が大ヒットして最初のテレビ化。翌年、元祖和製ヒーロ ーの『月光仮面』をコミカライズして、その人気は不動のものになった。1963年に 講談社の少年マガジンでスタートした『8マン』は、半年後にアニメ化されると空 前のブームを巻き起こし、平均視聴率は常に30%台をクリア。SFヒーローコミック の第一人者にのし上がる。代表作は、『Xマン』『キングロボ』『超犬リープ』 『ウルトラセブン』『デスハンター』『怪奇大作戦』『ゴッドアーム』『エリート』 『黄色い手袋X』『ミュータント伝』『チベット死者の書』『釈迦の真言』――など多数。 現在は都会の喧噪から逃れ、自然の豊かな茨城県の大洋村に住まいを移している。 その硬質でシャープなペンタッチは衰えを知らない。
8マン刊行記念企画
全5巻ご購入いただきましたお客様には、非売品8マン読本&特製化粧箱をセットで進呈します。
<読本収録内容>
1.平井和正8マン解説
2.小説版「魔人コズマ最終回」
3.桑田次郎インタビュー
4.鷺巣政安(エイトマンプロデューサー)インタビュー
<化粧箱仕様>
1.全5巻と特典の読本を収納可能
2.桑田先生の美麗イラストをフルカラーでレイアウト
<マンガショップから直接お買い上げの場合>
商品発送時に特典をお付けしてお届けします。
<書店からお買い上げの場合>
各巻最終ページにある応募キーワード5つ全てを、第1巻に封入
されている専用ハガキに記入してご郵送ください。
※画像はイメージです。特典の内容・デザインは予告なく
変更となる場合がございます。
ISBN 9784775914380
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