とべない翼〔完全版〕【中】
真樹日佐夫,
梅本さちお
マンガショップ
B6判 ソフトカバー 304頁 2006年11月発売
本体 1,800円 税込 1,980円
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『とべない翼〔完全版〕』全3巻(上・中・下)発売中!
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五代明の運命は絶望の深淵に
向けて加速しつづける……
ブ厚いコンンクリートの中で吹き荒れる暴力の嵐。
翼をもぎとられた五代に打つ手はあるのか!?
真樹日佐夫版『罪と罰』の予測不可能な展開を見逃すな!
あらすじ
鑑別所内で吹き荒れる理不尽な暴力の嵐……。
五代明は東大合格間違いなしとうたわれた頭脳でなんとか
これを乗り越えていく。少年院送りか出所かを左右する重
要な調査面接も、持ち前の頭脳で調査官を見事に論破!
この最終関門もクリアしたかに見えたが、五代に下された
判決は最も重い特別少年院送致だった!!手錠むき出しのまま
電車で護送される五代に、一般乗客者の好奇と蔑みの眼差し
が向けられる。そんな中、護送係の教官が居眠りをしている
のに気づいた五代は、自らの運命を賭けて脱走を試みるが……。
解説
1970年、「週刊少年マガジン」で連載がスタートした真樹日佐夫の
代表作『ワル』に対抗するべく、ライバル誌の「週刊少年サンデー」が
大胆にも同じ原作者を起用したのが本作――『とべない翼』である。
どちらの作品も限りある青春を精一杯生きる若者の姿を通して、
人間の本質を鋭くえぐった名作だが、特に『とべない翼』は
真樹日佐夫が重んじる“美醜”というテーマが最も反映された作品だ。
主人公の五代明は学費を稼ぐため銀座のバーでボーイになるが、客の金を盗
み鑑別所と少年院に収容されてしまう。その中での情景描写や収容者同士の
隠語など実際に拘置された者しか知りえない情報が満載でそこいらの作品と
は格段にリアル度が違のだ。まさに真樹ファンにはたまらない作品といって
いい。
さらに作画を担当した梅本さちおは、1968年から「少年ジャンプ」に連載
した『くじら大吾』が注目を集め、『とべない翼』の数カ月後に始まった
『アパッチ野球軍』が大ヒット。漫画家として頂点を迎えつつある時期だ
った。その荒々しい中にも緊張感溢れる独特のタッチが、少年院収容者の
屈折した心情をみごとに描ききっている。
1971年当時、某出版社から全4巻で単行本化される予定が、なぜか1巻しか
刊行されずに終わった幻の名作をみなさんの目で確かめていただきたい。
初出
「週刊少年サンデー」(小学館)
1970年38号〜52号
付録
とべない翼扉絵集
著者紹介
真樹日佐夫(まき ひさお)
1940年東京生まれ。故・梶原一騎の実弟。早稲田大学中退。
真樹道場宗師、作家、劇画原作者、映画プロデューサーとして活躍中。
実兄梶原一騎の紹介で大山倍達と知り合い、極真会総本部入門。
のちに、義兄弟の契りを結ぶ。37歳で、極真会館総本部第三代師範代を拝命。
昭和55年、真樹道場総本部を麻布に開設。東京総本部以下、
新潟、千葉、神奈川、東京、愛知、沖縄、ソウル、ロシアの各地に支部を置く。
キックボクシング界で真樹ジム愛知並びに真樹ジムオキナワを傘下に置く。
2006年プロレス団体ビッグマウス・ラウドの特別顧問に就任。
主な劇画原作に「ワル」「おんな教師」「ゆーとぴあ」「とべない翼」 「のら犬の丘」「けものみち」など多数。
主な著書に「極真カラテ27人の侍たち」「大山倍達との日々」「荒野に一騎咆ゆ」
「実録地上最強のカラテ」「すてごろ懺悔」など多数。
1968年「凶器」で第33回オール読物新人賞受賞。
2000年「兄貴」でJLNA文学賞特別賞受賞。
梅本さちお(うめもと さちお)
1943年、高知県生まれ。「ボクにはボクの夢がある」でデビュー。
ちばプロダクション所属時代を経て、「少年ジャンプ」(集英社)
創刊号から『くじら大吾』の連載をスタートさせる。その後、「週
刊少年キング」(少年画報社)に連載した『アパッチ野球軍』がア
ニメ化もされ大ヒット。 1993年、ファンに惜しまれつつ永眠。代表
作に『とべない翼』『リトルの団ちゃん』がある。
ISBN 4-7759-1133-3
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