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横山まさみち 電子書籍 あぁ青春 第8章 灰色のノート

電子書籍 あぁ青春 第8章 灰色のノート

横山まさみち
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ダウンロード販売 KeyringPDF 126頁 9MB 2006年8月発売
本体 1,000円  税込 1,100円
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横山プロのおくる大長編青春ストーリー。「ああ青春」は一話ごとにテーマがあり、一冊だけ読んでもその作者からのメッセージを理解できるようになっています。

主人公 伊吹真吾と四人の仲間たちが直面する青春のほとばしりを感じ取って欲しい。

<解説>
昭和30年代末、一般家庭に普及し始まったテレビや書店売りの漫画誌に押され、それまで十代の読者を中心に隆盛を誇った貸本漫画が急速に衰退する。多くの描き手は貸本と運命を共にして消えていったが、一部の売れっ子は大手出版社の雑誌に活躍の場を移すことで生き延びていく。

 横山まさみちもまた一般漫画誌に軸足を移しつつあったが、彼にはそのまま捨ててしまうには惜しい貸本の大ヒットシリーズがあった。それが今回紹介する『あぁ青春』や『ファイトメン』である。『あぁ青春』は昭和38年に第1巻が出て以来、貸本出版社のひばり書房にとってはドル箱といってもいい人気作品だった。

しかし、「本は借りるものではなく書店で買うもの」――という世の中の流れに抗しきれず、ひばり書房は貸本漫画からの撤退を余儀なくされる。『あぁ青春』もシリーズ第5巻を最後に廃刊が決まった。

普通ならこのまま幻の漫画になってしまうところだが、大阪と並ぶ商都の名古屋出身で、当時の漫画家には珍しくビジネス感覚に秀でていた横山まさみちは違った。自ら貸本漫画の出版社を立ち上げて、全国の貸本屋に配本する計画を実行に移したのである。以来、横山プロが編集出版した『あぁ青春』は、昭和42年に第32巻でようやく完結という貸本としては前代未聞の長編シリーズになった。

『あぁ青春』の人気の秘密は、その時代背景と無関係ではない。集団就職花盛りの昭和40年前後、貸本漫画を支えたメインの読者は十代の働く青少年たち、あるいはその予備軍だった。街中には舟木一夫の『高校三年生』や『修学旅行』、三田明の『美しい十代』といった青春歌謡のヒット曲が流れ、テレビの連続ドラマ「若者たち」が映画化されるなど日本は戦後初の青春時代を迎えていた。

そうした時代の空気を反映したのか、青春漫画は他の貸本のジャンルに比べ、最後まで読者の支持を失わなかった。『あぁ青春』の主人公・伊吹真吾もまた定時制の夜間高校に通う勤労少年である。真吾や学校の仲間たちが何に悩み、何に夢や希望を見いだしたのか。その答はすべて『あぁ青春』シリーズの中に描かれている。経済的には遥かに豊かだが、逆に自分の将来が見えない我々にとって、真吾たちの純情や生一本の行動は逆に新鮮で面映ゆい。だからこそ、60年代の青春を真っ正面から味わう意味があるのだ。

最後にマンガショップの読者のために、とっておきの情報を一つ提供したい。横山プロが独自に貸本漫画を出版していた頃のスタッフには、『柔侠伝』シリーズで有名なバロン吉元を筆頭に、小畑しゅんじ、鬼堂譲二(後の谷間夢路)、藤原栄子、左近士諒、荒木伸吾(超大物アニメーター)、たがわ靖之など錚々たるメンバーが揃っていた。『あぁ青春』や『ファイトメン』の制作を通じ、彼らが一流の漫画家として育ったというなら、それだけで横山プロの出版事業は大成功だったのではないだろうか。

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