1967年から「週刊少年サンデー」に連載された本作品は、原作者・相良俊輔の熱血感あふれるストーリー展開と、作画家・園田光慶のシャープでリアルな描写力、大胆な構図がマッチして、折からの戦記ブームの中一躍大人気となった。雑誌ではブームにのって、巻頭で第二次世界大戦当時の兵器やメカを毎週のように特集し、本文でも「あかつきタイムズ」のような戦記情報コーナーまで登場した。ブームはますますエスカレートし、68年13号に掲載された「あかつき戦闘隊大懸賞」は見開き形式で、一等賞品が日本海軍兵学校の正装一式を始め、アメリカ軍コレクションやドイツ軍コレクション等といった、ミリタリー賞品ばかりで構成され、一部の児童文学者たちから販元へ「ちょっとひどすぎないか」との抗議があり、3月15日付けの朝日新聞紙上で一躍話題となった。
原作:相良俊輔(さがら しゅんすけ)
1920年東京都生まれ。文芸誌、娯楽誌の編集記者を十余年。その間、山手樹一郎・山本周五郎・外村祭・牧野吉晴氏らと親交を深め、作品生活に入る。文芸誌「不同調」に処女作「虚構の夜」を発表。以後、新聞連載小説や児童小説を執筆。動物小説、熱血冒険小説の
著作が多い。1979年8月没。
主な作品に「機関車大将」「大雪原鉄道」「少年会津藩士秘録」「人類愛に生きた将軍」「ジュニア版太平洋戦争(全6)」。また戦記文学シリーズに「暁の攻撃隊」「ああ厚木航空隊」「夏の空」「海原が残った(上・下)」「流氷の海」「菊と龍」「赤い夕陽の満州野が原に」「怒りの海」等がある。
作画:園田光慶(そのだ みつよし)
1940年12月7日大阪市生まれ。
1958年日の丸文庫から"ありかわ栄一"名義で短編集「死剣幽四郎」を発表し漫画界にデビュー。折からの貸本劇画ブームに乗り、雑誌「影」、「刑事」(デカ)、「ゴリラマガジン」「魔像」などの貸本雑誌に次々と作品を発表し好評を博す一方、1960年頃より東京トップ社から描き下ろしの単行本を続々と執筆、中でも「挑戦資格」「アイアンマッスル」等が評価が高い。
1963年、「週刊少年キング」に久米みのる氏原作による柔道漫画「車大助」を連載し少年誌への進出を果たす。
1964年、同誌に連載した久米みのる原作「ホームラン探偵局」から"園田光慶"に改名。
1967年「週刊少年サンデー」に相良俊輔原作の「あかつき戦闘隊」を連載、戦記ブームの影響もあり大人気を博す。
翌68年には「ヤングコミック」誌上に「喪服紳士録」を連作開始、青年誌にも進出した。
1979年頃からシナリオライターの久保田千太郎氏とともに歴史物コミックの世界にも挑戦し、話題をよんだ。
1979年3月没
代表作には上記作品の他、「ターゲット」「赤き血のイレブン(原作:梶原一騎)」 「軍鶏(原作:相良俊輔)」「三国志(原作:久保田千太郎)」「戦国猿回し(脚本:久保田千太郎/やまざき十三)」等がある。
ISBN4-7759-1025-6