本作品は原作者の「まえがき」にもあるとおり、当初は三部構成の予定で連載が始まった。第一部「パゴス島編」は1967年42号から68年27号、第二部「特攻編」は68年42号から69年19号までの連載となっている。第三部「本土決戦編」は、若木書房版の「まえがき」にはこう書かれている。
――編集部の都合で第二部完結となっていたが、読者の声援も多く二年ぶりにペンを執った。この「本土決戦編」の完結を機に、若木書房から全巻揃って刊行されることになった、と。
だが、第二部完結の2年後、1971年当時の「少年サンデー」誌上に連載の形跡はない。原作者・著者ともに故人のため確認がとれていない。
原作者・相良俊輔は、同じく作画家・園田光慶と組んで同誌にボクシング漫画「軍鶏」を70年48号から52号まで連載している。
原作:相良俊輔(さがら しゅんすけ)
1920年東京都生まれ。文芸誌、娯楽誌の編集記者を十余年。その間、山手樹一郎・山本周五郎・外村祭・牧野吉晴氏らと親交を深め、作品生活に入る。文芸誌「不同調」に処女作「虚構の夜」を発表。以後、新聞連載小説や児童小説を執筆。動物小説、熱血冒険小説の
著作が多い。1979年8月没。
主な作品に「機関車大将」「大雪原鉄道」「少年会津藩士秘録」「人類愛に生きた将軍」「ジュニア版太平洋戦争(全6)」。また戦記文学シリーズに「暁の攻撃隊」「ああ厚木航空隊」「夏の空」「海原が残った(上・下)」「流氷の海」「菊と龍」「赤い夕陽の満州野が原に」「怒りの海」等がある。
作画:園田光慶(そのだ みつよし)
<1940年12月7日大阪市生まれ。
1958年日の丸文庫から"ありかわ栄一"名義で短編集「死剣幽四郎」を発表し漫画界にデビュー。折からの貸本劇画ブームに乗り、雑誌「影」、「刑事」(デカ)、「ゴリラマガジン」「魔像」などの貸本雑誌に次々と作品を発表し好評を博す一方、1960年頃より東京トップ社から描き下ろしの単行本を続々と執筆、中でも「挑戦資格」「アイアンマッスル」等が評価が高い。
1963年、「週刊少年キング」に久米みのる氏原作による柔道漫画「車大助」を連載し少年誌への進出を果たす。
1964年、同誌に連載した久米みのる原作「ホームラン探偵局」から"園田光慶"に改名。
1967年「週刊少年サンデー」に相良俊輔原作の「あかつき戦闘隊」を連載、戦記ブームの影響もあり大人気を博す。
翌68年には「ヤングコミック」誌上に「喪服紳士録」を連作開始、青年誌にも進出した。
1979年頃からシナリオライターの久保田千太郎氏とともに歴史物コミックの世界にも挑戦し、話題をよんだ。
1979年3月没
代表作には上記作品の他、「ターゲット」「赤き血のイレブン(原作:梶原一騎)」 「軍鶏(原作:相良俊輔)」「三国志(原作:久保田千太郎)」「戦国猿回し(脚本:久保田千太郎/やまざき十三)」等がある。
ISBN4-7759-1026-4