1969年から72年にかけて横山光輝が少年誌に発表した時代劇コミックを収録した短編集。『伊賀の影丸』のようなスーパーヒーローの活躍ではなく、孤独の中で生きるために戦う主人公像はのちに代表作『闇の土鬼』などにつながる横山光輝の新境地といえるもの。「暗殺道場」は徳川家康の暗殺組織に殺された師範の遺言で、暗殺集団の四天王と戦う少年剣士の苦闘。「ムササビ」は織田信長の命を狙う伊賀忍者とひとり戦う少年忍者を描く中編。「かげろう伝」は柴田勝家のために戦う伊賀ものと豊臣方の甲賀忍者の戦い。「飛猿斬り」は幕末の南武天狗党と南武浪人・山田一郎の死闘。いずれ劣らぬ傑作だ。
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